資料館

◆製鉄師の資料館【絲原記念館】 

 
 絲原記念館は、たたら製鉄師であった絲原家の歴史を紹介する資料館として、昭和55年(1980)開館しました
 土蔵を模した第1展示棟と、大正11年(1922)に上棟の布団蔵を改装した第2展示棟からなり、たたら資料、家伝の美術工芸品や有形民俗資料、古文書などを展示公開しています。

 第1展示棟は「たたらコーナー」「有形民俗資料コーナー」「簸上鉄道コーナー」に区分されています。「たたらコーナー」は可動模型、たたらの原材料、用具・製品などの写真や図面を展示し、分かりやすく解説しています。

 「有形民俗資料コーナー」は、藩政期農民でありながら、松江藩の五人扶持士分格という特異な階級でもあった絲原家に伝わる、儀礼用具・嫁入り道具などの家具調度・什器や衣類などが、季節に合わせて展示されています。

 第2展示棟は「美術工芸品コーナー」で、春・夏・秋と年3回の展示替えを行います。さらに2階には立体展示コーナーを設け、松江藩主来駕時の膳の様子を展示しています。
 主な所蔵品は松江藩主からの拝領品、藤原定家筆「明月記断簡」(県指定文化財)、千利休筆の書状、大名茶人・松平不昧作の書幅や茶杓、雲州蔵帳記載の茂三茶碗「銘・秋風」をはじめとする茶道具。池大雅筆「指頭山水図」、円山応挙筆「孔雀図」、長沢蘆雪筆「芭蕉図」、田能村竹田筆「梅渓艤舟図」などの円山四条派や文人画を中心とする絵画。松江藩お抱え漆匠・漆壺斎や勝軍木庵作の漆器。明・清・李朝、伊万里焼の陶磁器など多岐にわたっています。